こけしとは

こけしとは

ひとつとして同じものがない素朴な魅力が一大ブームに

ひとつとして同じものがない
素朴な魅力が一大ブームに

東北地方に古くから伝わるこけしの始まりは、江戸時代後期、明治初期ともいわれ、発祥の地についても諸説ある。だが、木地師が子どもたちへの玩具として作り、その土地に定着したことで独特の模様や顔立ちとなったことは間違いないようだ。
こけしには、古くから伝承されてきた「伝統こけし」と、新しいものを取り入れたフリースタイルの「創作こけし」「新型こけし」がある。
伝統こけしは、津軽系(青森)、南部系(岩手)、木地山系(秋田)、蔵王・高湯系、山形系(山形)、肘折系(山形・宮城)、作並系、鳴子系、遠刈田系、弥治郎系(宮城)、土湯系(福島)の11系統。それぞれが、その土地ならではの特徴を持っている。
各系統の中でも基本的には、師匠の描く顔を継承することが多いが、工人によって個性はさまざま。さらに、同じ工人でも年代やその時々の感性で顔が違うこともある。ひとつとして同じものがないからこそ、こけしは多くの人を魅了するのだ。
材料となる木は、ミズキ、イタヤカエデ、サクラ、エンジュなど。木材は、冬季の、木が水分を多く含まない時期に伐採される。材はその後十分に乾燥させ、木取りをし、ろくろにかける。かんな棒や、バンカキと呼ばれる刃物で形を整えたら、顔や胴体に絵柄を施し、蝋をひいて完成。童話作家でこけし収集家としても知られる深沢要いわく「こけしは、東北人そのもの」だそうで、その素朴な魅力は今、日本全国を巻き込んだ一大ブームとなっている。

【取材協力】

仙台木地製作所

住所:
宮城県仙台市青葉区芋沢字大竹新田下30
電話:
022-394-3005
ホームページ:
http://www.sendaikiji-c.com/

【撮影協力】

新山吉紀

住所:
宮城県白石市福岡八宮弥治郎北116
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0224-25-0015