使う。だから伝え、作り続ける。

藩士の手仕事だったしの竹細工は、時代とともに地元民の生活の一部に。
家族の手伝いをしながら作り方を教わり、家庭の中で伝えられてきたました。

一つひとつ手仕事で丁寧に編むため、熟練した作り手でも小さいサイズのものを、1日1~2個しか作れないそう

材料は地元に自生しているしの竹。毎年12月の積雪前に採取する

“へげ”も各自で手づくり。“ヒコ”という道具で一本一本幅をそろえる

小さな刃物は、金物店で作ってもらっている竹細工専用のもの

地域内外から老若男女15人程度が竹工芸館に通って制作を行っている

3つの編み技法

およそ300年の伝統を持つ岩出山のしの竹細工。
長い歴史のなかで培われ、人々の暮らしと結びついた3つの編み技法が受け継がれています。

ざる編み
ざる編み

同じところをヨコに交互にきめ細かく編む、岩出山ならではの編み方。竹ヒゴは2本1組で編んでいく。この技法を使った代表的なものが“米とぎざる”で、ざるの内側に竹の表面がくるように編まれ、すべりが良いのでお米を洗いやすく、水切れも抜群。

六つ目編み
六つ目編み

編み目が六角形の編み方。しの竹が使われるが、さらに細くやわらかい鈴竹も用いられる。六つ目編みのカゴは“目かご”と呼ばれ、きのこや牡蠣などを入れて洗うのに使われてきた。編み目の間から余計な土などが落ちてくれるので便利。

あじろ編み
あじろ編み

編み目が螺旋状に広がっていくように見える編み方。この編み方で深く編んだ“あじろざる”は、ざる編みよりタテのヒゴを減らして1本ずつばらばらに編むので目が粗く、元々こしあんを作るのに用いられていた。

使い方のポイント

  • お米をとぐ時には、ざるの下にボールを置いて使いましょう。
  • 使用後は、洗剤は使わずに、タワシなどで中と外を軽く洗って水かお湯ですすぎ、水を切ります。
  • 編み目に米粒などがはさまった時には、底を軽く叩くか、竹串などで取り除きましょう。
  • 洗った後はできるだけ壁などに掛けて乾燥させ、完全に乾かしてからまた使うことが長持ちの秘訣です。

ひとことアドバイス 竹工芸館 竹細工指導員 千葉文夫さん

水切りや米粒を取る際に、ざるの縁を打ち付けたりすると破損の原因に。乾かす時には、できるだけ風通しの良いところに掛けて乾かしてください。使った後に完全に乾かすことが大切です。
ざるも皆さんの顔が見たいので(笑)、しまい込まず常に出しておくことをお勧めします。1年半ほどきちんとご使用いただければ、その後はカビにくくなり、5年から10年と長くお使いいただけます。