守るもの、受け継ぐもの。「堤焼乾馬窯 師弟展」

2016/9/01 |
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堤焼

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300年以上の歴史を持つ堤焼。
「堤焼乾馬窯」は地元の名工として名をはせた初代が、江戸の陶工・三浦乾也(6代尾形乾山)から乾馬(けんば)の陶号を授かってはじまりました。現在では堤焼唯一の窯元として、その伝統を守り続けています。

地元の土と釉薬にこだわり作陶を続ける「堤焼乾馬窯」は、門人の育成にも力を入れている窯。これまでたくさんのお弟子さんが修行をし、焼き物を礎を学んできました。修行を積んで独立したお弟子さんは全国津々浦々で活躍されていますが、宮城県内に開窯し、作陶している方も。
現在、仙台市青葉区の晩翠画廊では、「堤焼乾馬窯」とその門人として4代針生乾馬に師事し、現在宮城で作陶する4人の陶芸家達による作品展『堤焼乾馬窯 師弟展』を開催中です。さっそく昨日、会場にお邪魔してきました。

今回展示しているのは
IMG_2008「田尻大沢窯」松山正文さん

IMG_2013「三輪田窯」亀山英児さん

IMG_2007「陶房 麻帆土」勅使瓦麻里さん

IMG_2012「環窯」高橋聡さん

IMG_2009そして「堤焼乾馬窯」

5月に88歳でご逝去された、4代針生乾馬さんの作品も展示しています。
IMG_20144代乾馬さんの美しい辰砂。

現在「堤焼乾馬窯」は長男・久馬さん、次男・和馬さん、そしてお孫さんである峻さんが4代亡き後を受け継ぎ、作陶が続けられています。

昨日、会場にはこのお三方が在廊。
IMG_2005左から「田尻大沢窯」松山正文さん、「環窯」高橋聡さん、「三輪田窯」亀山英児さん。
会期中は参加している陶芸家のどなたかは在廊予定とのこと。
作り手から直接話を聞くことができますよ!

5つの窯、一見するとそれぞれ個性があって、まったく趣の異なるものに見えますが、ところどころで相通ずる部分があります。例えば、みなさんそれぞれマグカップを作ってらっしゃるんですが、どれも「使いやすさ」に特化した、持ちやすく、軽やかなもの。高いろくろの技術と、使う人のことを考えた細やかな仕事は「堤焼乾馬窯」の系譜を感じます。
企画展は9月4日(日)まで。
堤焼の伝統を守る窯元と、それを受け継ぎ新たな形へ昇華している陶芸家たちの作品、会場に足を運んでぜひ手に取ってみてください。

【堤焼乾馬窯 師弟展】
会期:8月30日(火)~9月4日(日) 10:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:晩翠画廊 仙台市青葉区国分町2-3−13 セイトウ社ビル2F

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