仙台堆朱とは

仙台堆朱とは

木彫から研ぎ・塗りまで一貫した手しごとで手間ひまをかけつくり出される実用的な漆器

木彫から研ぎ・塗りまで一貫した手しごとで手間ひまをかけつくり出される実用的な漆器

堆朱(ついしゅ)とは、彫漆(ちょうしつ)という漆器づくりの技法のひとつで、赤い漆を何層にも厚く塗り重ねて絵柄を彫刻したもの。同じように黒や黄の漆を用いた堆黒(ついこく)、堆黄(ついおう)などもある。これらの技法は中国で生まれ、鎌倉〜室町時代に日本に伝わったとされるが、日本では、木地に彫刻し赤い漆で仕上げた漆器が、堆朱と呼ばれて来た。
仙台堆朱のはじまりは、伊達の藩政時代の漆器づくりが途絶えて久しかった明治の末期。村上堆朱(新潟県)の職人だった川崎栄之丞が仙台にやって来て、その基礎を築いたと言われている。川崎は、型取りで作った精巧なレリーフで木地を覆う独自の製法による「東華堆朱」を創成。堆朱の量産化を実現し、一般庶民でも手が届く、丈夫で扱いやすい漆器として普及させた。
その後、時代とともに堆朱づくりが下火になりつつあった頃、南忠が「仙台堆朱」として技術を受け継いだ。蒔絵師でもあり、工藝指導所に勤めていたことから、川崎栄之丞とも親交があったと言う南は、終戦後(昭和20年代)に仙台堆朱製作所を設立。現在ではただ1軒の工房として、孫にあたる3代目が、木地に直接彫刻する技法で仙台堆朱を作り続けている。
およそ100年の伝統を守りながらも変化をつづけ、モダンな魅力も兼ね備えた仙台堆朱は、2011年にグッドデザイン賞を受賞。記念品・贈り物としても地元で愛されつづけてきた赤く艶やかな漆器は、これからも日々の生活に華を添えてくれることだろう。

【取材協力】

仙台堆朱製作所

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