素朴な器にただ、盛り付ける。
それだけでひき出される料理の彩。
料理教室の主宰、フードスタイリストと幅広く活動している鈴木茜さんが堤焼を使って作る食卓の風景。
和食や洋食、盛り付ける料理を選ばない器は、こんな風に生活に溶け込んでいきます。
<プロフィール>
少人数制の料理教室「cookinglabo(クッキングラボ)」主宰。
仙台を中心にTVや雑誌のフードスタイリング、情報誌のレシピ連載やメーカーの商品企画など幅広く活躍している。
http://cookinglabo.chu.jp/
鈴木 茜さん
第一印象、特になまこ釉の器は個性が強いなと感じたので、盛り付ける料理を選ぶだろうと思っていましたが、実際に使ってみたら、意外と何をのせてもしっくりきます。今回おむすびを盛ったお皿は、肉や魚もよし、野菜のきれいな色も引き立ててくれる万能さを感じました。フライやパスタなどの洋風なものでもいいし、お寿司なんかにも合いそう。白い皿を使う人は多いですが、堤焼のような皿をポイントに使ってみると、普段の料理も違って見えると思います。
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ほっき飯のおむすび
なまこ釉八寸皿 -
鶏と山菜の味噌田楽
緑釉八寸皿、なまこ釉銘々皿 -
レンコンとカブとウドのマリネ
緑釉浅鉢
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桜の花の卵焼き
白釉七寸皿 -
菜の花とつぼみ菜のおひたし
緑釉浅鉢 -
仙台いちご
なまこ釉浅鉢
滋味豊かな仙台・宮城の味を頬張る。
ご飯と主菜のとっておきレシピ。
ほっき飯のおむすび
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●材料
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ほっき貝3個
(下味:薄口醤油 小さじ2、酒 小さじ2) -
米・・・・・・3合
(酒 大さじ1、みりん 大さじ3、薄口醤油 大さじ3) - 出し昆布・・・・・・1枚
- 木の芽・・・・・・適宜
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●作り方
- ほっき貝の身を食べやすい大きさに切り、醤油と酒で下味をつけておく。
- 米は水を控えめに吸水させて、調味料と出し昆布を加えて炊く。
- 炊飯が終わったら、ご飯の上にほっきをのせてさらに10~15分ほど蒸らす。
- おむすびにして、木の芽を飾る。
おいしい一口メモ
ほっき貝は宮城県の亘理町、山元町の特産品。肉厚のほっき貝を炊きこんで、旨みを閉じ込めたほっき飯はこの地方の家庭料理として親しまれています。旬は12月の下旬から3月。生で食すのはもちろん、さっと火を通すと、より一層磯の香りと甘みが増して美味!
鶏と山菜の味噌田楽
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●材料
- 田楽味噌(仙台味噌 60g、砂糖 大さじ4、みりん 大さじ3、白ゴマ 大さじ1)
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鶏もも肉・・・・・・1枚
(下味:醤油 大さじ1、酒 大さじ1) - 茹でタケノコ・・・・・・小1本
- こごみ・・・・・・ 5〜6本
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●作り方
- 小鍋に田楽味噌の白ゴマ以外の材料を入れて火にかけ、練り上げる。砂糖がとけてつやが出てきたら火を止めて、白ゴマを加える。
- 鶏もも肉は下味をつけて、10分ほど置き、皮目からこんがりと焼く。フライパンの隙間でくし切りにした茹でタケノコを焼く。
- こごみは湯通ししておく。
- 鶏肉と、タケノコ、こごみを盛り合わせ、1.の田楽味噌をそえる。
おいしい一口メモ
仙台味噌は辛口の赤味噌。伊達政宗が城内の常備食、兵糧用に作らせたのが始まりで、400年以上の歴史があります。低温で長期間熟成されるため、とっても香り高く、風味豊か。臭みの強い青魚の調理や味噌漬けの漬け床に使うのもおすすめです。