石巻こけしって?
先月白石市で開催された「全日本こけしコンクール」では初出品にして「仙台商工会議所会頭賞」を受賞。じわりじわりと注目を集めている石巻こけし、ご存知ですか?
石巻こけしを制作しているのは昭和5年創業、石巻の立町商店街に店を構える林屋呉服店の若旦那、林貴俊さん。東日本大震災で被害を受けた石巻を元気にするような、新しい産物を作りたいという想いからからこけし作りをスタート。震災から4年目の今年3/11に工房兼店舗の「Tree Tree Ishinomaki」をオープンしました。
こちらが石巻こけし。白いミズキ材に赤と青のカラーリングがとっても爽やか。思わずニヤリとしてしまう顔立ちが印象的です。そしててがら模様と呼ばれる、髪飾りの模様は魚の文様。豊かな漁場である石巻らしい絵付けです。
頭頂部にもお魚がぷかりと浮かんでいます。
作業場に立つ林さん。石巻こけしは轆轤ではなく、木工旋盤を使って木地を挽いています。林さんがこけしを作るようになったのは、山形の志田菊宏工人のきのこを象ったこけしと出会ってから。作業場の壁には、石巻こけしのルーツともいえる、志田菊宏工人からのエールが掲げられていました。また、材料のミズキの手配で遠刈田系の日下秀行工人、木地を削るためのカンナ棒を弥治郎系の新山吉紀工人が協力。熱意あふれる林さんを応援しようと伝統こけし工人もさまざまな形で支えています。Tree Tree Ishinomakiでは、今後、東北の各系統のこけしも展示販売していく予定なのだそう。
東北各地に伝わる11系統の伝統こけしはそのそれぞれの風土を体現し、郷愁を誘う存在です。石巻こけしは伝統こけしではありませんが、林さんは「長く続けていって、目指せ12系統入り!」と意気込み、志高く、熱い想いを持って真摯に制作をしています。海街生まれの石巻こけし。地元の人をはじめ、石巻を訪れた人、こけしファンにも長く愛され、街をさらに活気づける存在になっていってほしいと思います。
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Tree Tree Ishinomaki
石巻市立町2-6-25
営業時間:11:00~16:00
不定休
お店の情報はFBページをご確認ください。
■現在、6/14(日)まで【アートなこけし展】を開催中!
陶芸家や建築家など石巻にゆかりのある作家やクリエイターがそれぞれの感性で制作したこけしを展示しています。ぜひ足を運んでみてください。
※会期中のオープンは10:00~17:00。